イタリア · ソース・ディップ

イタリアンバーニャカウダ — ピエモンテのアンチョビ・ニンニク温ディップ

バーニャカウダ — ピエモンテの方言で「熱い風呂」 — は、オリーブオイルとにんにく、アンチョビをゆっくり溶かし合わせた温かいディップで、北イタリアの食卓の賑わいそのものです。

40 分✻6 人分✻350 kcal
イタリアンバーニャカウダ — ピエモンテのアンチョビ・ニンニク温ディップ

材料

  • ニンニク60 g
  • 全乳250 ml
  • アンチョビフィレ80 g
  • エキストラバージンオリーブオイル200 ml
  • 無塩バター30 g
  • クルミ油1 大さじ
  • 塩1 ひとつまみ

作り方

  1. 1にんにくを下ごしらえする。にんにく60g(15-18片、中くらいの玉で2個分)の皮をむく。1片ずつ縦半分に切り、中心の緑色の芽をナイフの先で取り除く。ここは省けない。芽には苦みが残り、火を通しても刺すような後味が消えない。芽を取ったら薄切りにして、牛乳で煮るときに均一に柔らかくなるようにする。2005年にアスティで登録された公式のレシピにも、芽を取ることがはっきり書かれている。
  2. 2にんにくを牛乳で煮る。薄切りにしたにんにくを小鍋に入れ、全乳250mlをかぶるまで注ぐ。ごく弱火にかけ、ふつふつする手前で保つ。煮立てないこと。ときどき混ぜながら15-20分、フォークでつぶせるほど柔らかくなり、牛乳が少しとろむまで煮る。にんにくをこして牛乳は捨てる(スープの下地に取っておいてもよい)。この一手間で刺激が消え、にんにくが甘くなる。省くとアスティの原典に近い、にんにくの香りが真正面から来る味になる。
  3. 3アンチョビを下ごしらえする。塩漬け(チェターラやレッカ、スペインの赤アンチョビが理想)を使うなら、フィレ80gを冷水でさっと洗い、赤ワインに5分浸してから水気をふく。ワインで洗うのはピエモンテの昔からのやり方で、水よりきれいに塩気が抜け、香りにも奥行きが出る。フィレを開き、尾のほうから指で中骨を引き抜く。オイル漬けを使うなら、良質なもの80gをペーパーで押さえて油を切るだけでよい。塩漬けは値は張るが、味の深さと溶け方がまるで違う。
  4. 4冷たい油から煮出しはじめる。牛乳で煮たにんにくと下ごしらえしたアンチョビを、厚手の小鍋かフジョットに入れる。エキストラバージンオリーブオイル200mlを、瓶から冷たいまま注ぐ。ごく弱火にかける。本当にごく弱火で、にんにくの周りに泡がいくつか見える程度。じゅうじゅう音を立てたら火が強すぎる。アスティの公式レシピにも「弱火で、揚げないように注意して煮る」と明記されている。冷たい油から始めるのは絶対で、熱い油に入れればにんにくが焦げて台無しになる。
  5. 520-25分かけて静かに煮る。ごく弱火のまま20-25分、2-3分おきに木べらで混ぜる。アンチョビは油の中で完全に溶けていく。はじめは形が残っているが、10分で崩れ、20分もすればどこにも見えなくなり、香りのよい下地になる。にんにくはさらに柔らかくなるが、決して色をつけないこと。少しでも色づいたらすぐ火を弱めるか、鍋を火から離す。ばらばらだったアンチョビの粒が、しだいに均一で香ばしい黄金色のソースへ変わっていく。
  6. 6バターで仕上げる(なくてもよいが、あったほうがよい)。火を止め、温かいソースに冷たい無塩バター30gとくるみ油大さじ1を加える。木べらでゆっくり混ぜ、バターが溶けてなじむまで。冷たいバターを温かい油に含ませるので、必ず火を止めてから入れること。バターでビロードのような口当たりになり、くるみ油がピエモンテらしい香ばしさを添える。もっとなめらかにしたければ、バターのあとに卵黄1個を火から下ろしたまま混ぜ込む。公式のレシピでも卵黄は任意の材料として挙げられている。
  7. 7味をみて整える。塩はアンチョビの塩気が足りないときだけ、ひとつまみ。ふつうは何も足さなくてよい。仕上がりはペーストではなく、とろりとした温かい液体で、にんにくのかけらと溶けたアンチョビが見える状態。濃すぎればオイルを大さじ1-2足し、緩ければ蓋をせずごく弱火で2分だけ煮つめる。木べらにまとわりつき、ゆっくり落ちるくらいが目安。
  8. 8温かいまま、すぐに出す。フジョット(ろうそくで温めるピエモンテのテラコッタの器)か、アルコールランプ付きのフォンデュ鍋に移す。バーニャカウダは食事のあいだずっと55-65°Cに保つ必要があり、冷めるとソースが分離して香りも飛んでしまう。食卓の中央に置き、季節の野菜を大皿で囲む。生のカルドン、赤パプリカの細切り、フェンネル、セロリ、にんじん、ラディッキオ、サボイキャベツの葉、ゆでたじゃがいも、くし形に焼いた玉ねぎ、揚げたポレンタの角切り。皮の硬いパンも添える。合わせるのはピエモンテの赤、バルベーラ・ダスティ、ドルチェット、ネッビオーロ。