フランス · 朝食・ブランチ
パン・ペルデュ — クラシックなフレンチトースト(失われたパン)
パン・ペルデュ — フランス語で文字どおり「失われたパン」 — は、固くなったパンをカスタードのような黄金色のごちそうに変えるフランスの定番です。

材料
- 前日のブリオッシュ8 切れ
- 卵4
- 全乳250 ml
- ヘビークリーム100 ml
- グラニュー糖50 g
- バニラエクストラクト1 小さじ
- オレンジの皮1 大さじ
- 無塩バター25 g
- 塩1 ひとつまみ
- 粉糖2 大さじ
作り方
- 1パンを用意する。前日のブリオッシュ(またはカンパーニュ、バタール、パン・ド・ミ、前日のバゲット)を2-2.5cmの厚さに切り、8枚使う。パンは必ず乾いていること。焼きたての柔らかいパンは卵液の中で崩れ、どろどろになる。ブリオッシュがまだしっとりしているなら、切ってから網の上に30分そのまま置くか、100°Cのオーブンで10分だけ乾かす。厚みは大事で、2cmより薄いと中まで乾き、3cmを超えると中心に火が通らない。
- 2卵液を作る。広くて浅い容器(9×13インチのバットがちょうどよい)に卵4個、全乳250ml、生クリーム100ml、グラニュー糖50g、バニラエクストラクト小さじ1、オレンジの皮のすりおろし大さじ1、塩ひとつまみを入れ、完全になめらかになるまで混ぜる。ただし泡立てないこと。ふわふわの卵ではなく、カスタードの状態がほしい。好みでカルヴァドス、グラン・マルニエ、コニャック、アルマニャックを大さじ1加えると、フランス菓子らしい奥行きが出る(アンリ4世由来の伝統的な足し算)。牛乳と生クリームを約2.5対1(250mlと100ml)にするのが正しい口当たりの鍵で、牛乳だけでは重ったるく、生クリームだけでは重すぎる。
- 3パンを浸す。卵液に一段だけ並べる(入りきらなければ何回かに分ける)。ブリオッシュは片面2-3秒だけ。長く浸すと崩れる。前日のカンパーニュやバタールなら片面30秒から1分。かなり乾いたバゲットなら片面1-2分。中まで染みているのに形は崩れていない、という状態が目安。確かめ方は、そっと押してみて卵液が表面に1-2滴にじむ程度。じゅわっとあふれ出すなら浸しすぎ。浸したパンは網に移し、30秒ほど余分な卵液を落とす。
- 4バターを焦がす。大きめのフッ素樹脂加工のフライパンか鉄鍋を中火で温め、無塩バター大さじ2を入れて溶かしながら鍋を回す。泡が立ち、ナッツのような香りが立ちはじめるまで待つ(ブール・ノワゼットの状態)。約1分。ここでバターを油に替えてはいけない。パン・ペルデュはバターで焼くもので、植物油では香りが違い、マーガリンでは焼き色がつかない。泡立ちは鍋が十分に熱い合図で、ただ溶けただけのバターにパンを入れると油を吸って重くなる。
- 5パンを焼く。泡立つバターに浸したパンを3-4枚、間隔をあけて並べる(詰めこむと焼き色がつかない)。片面2-3分、つやのあるキャラメル色の膜ができるまで焼き、薄いフライ返しで一度だけ慎重に返す(ブリオッシュはもろい)。焼き上がりの表面はクレーム・ブリュレの膜に近く、縁はカリッとする。残りも同じように焼き、その都度バターを新しく足す。使い回したバターは黒く焦げて苦くなる。
- 6必要なら温かく保つ。4人分を一度に出すなら、焼けたものは天板の上に網を重ね、100°Cのオーブンに入れておく(網を敷かないと底が蒸れる)。持つのは15分まで。それ以上置くとカリッとした表面が戻ってしまう。焼きたてをそのまま出すのが一番おいしい。
- 7盛り付けて粉糖をふる。1皿に2切れ、少し重ねて置く。出す直前に茶こしで粉糖をたっぷりふる。これがフランス式の定番の仕上げ。好みで生のベリー(イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー)、カルヴァドスで煮たリンゴ、塩キャラメルソース、クレーム・アングレーズを少し添える。シナモン(アメリカ風の後付けで伝統ではない)と、メープルシロップをたっぷりかけるやり方(これもアメリカの習慣)は避ける。
- 8すぐに出す。パン・ペルデュは焼きたてが一番で、カリッとした表面は15-20分でやわらかくなる。カフェオレ、ホットチョコレート、シャンパン(ブランチなら)、ソーテルヌ(デザートなら)と合わせる。フランスではデザートか午後4時のおやつ(グーテ)で、朝食ではないが、食卓の都合に合わせて構わない。フランス式にナイフとフォークで。好みでオレンジの皮を追加で散らす。