
手作りシードル(りんごの発酵酒)
このレシピの手作りシードルはアルコール入りで、アメリカでは「ハードサイダー」と呼ばれるものです。りんごジュースをワイン酵母またはシードル酵母で1〜2週間発酵させ、澄ませてから瓶に詰めた、辛口で軽く発泡する飲み物です。アメリカでジュースとして売られている無発酵の「サイダー」とは別物です。ジュースだけで約5〜6%のアルコールになり、このレシピの1リットルあたり50gの砂糖で約8〜9%まで上がるため、清涼飲料ではなくワインのつもりで扱ってください。スーパーの甘いシードルよりも辛口で酸味があり、味わいは使うりんごで変わります。市販のジュースを使えば実際の作業は合わせて1時間ほど、りんごを自分で搾るならさらに1時間以上かかります。あとは待つことと、すべてを清潔に保つことです。なお、日本では酒税法により、免許なしでアルコール分1度以上の酒類を造ることはできません。
材料
- 4.5 リットルりんごジュース(濁った無濾過、保存料なし。搾りたてまたは市販品)
- 1 袋シードル酵母またはワイン酵母
- 1 小さじ酵母栄養剤(または袋の表示量)
- 1 錠カンプデン錠(無殺菌ジュースの場合)
- 225 g砂糖(ジュース1リットルあたり50g。好みで、度数を上げたい場合)
- 36 g瓶詰め用の砂糖(500mlの瓶ごとに4g、すりきり小さじ1)
作り方
- ジュースと発酵容器を準備する。始める前に道具をそろえておく。発酵容器のほかに、エアロック、比重計、サイフォンのチューブ、4.5〜5リットルの別の容器、炭酸飲料用の瓶、自家醸造用品店で売っている食品用の消毒剤が必要だ(それぞれ、使う工程で説明する)。4.5リットルのジュースには、りんご約7〜9kgと果実用プレス機か電動ジューサーが必要で、どちらもなければジュースを買う。りんごは洗って傷んだ部分を切り取り、芯を除くが、タンニンを含む皮は残す。プレス機で搾る場合は、先にりんごを砕くかすりおろして粗いパルプ状にする。切っただけのりんごではほとんど果汁が出ないためで、ジューサーならこの作業は要らない。そのうえで少しずつ搾ってさらし布で濾す。市販のジュースは濁った無濾過のものを選ぶ。表示にアスコルビン酸があっても問題ないが、ソルビン酸カリウムや安息香酸ナトリウムは酵母の働きを止める。最初の数日は泡が立つので、洗って消毒した容量6リットル以上の発酵容器にジュースを注ぐ。搾りたて、または無殺菌のジュースなら、カンプデン錠1錠(通常の量は4.5リットル、つまり英ガロンにつき1錠)を砕いて溶けるまで混ぜ、蓋をして24時間置く。カンプデン錠は、りんごの皮について入ってくる野生酵母と細菌を抑え、シードルが傷むのを防ぐ。酵母を早く入れすぎると、その酵母まで抑えられてしまう。殺菌済みのジュースなら、錠剤も待ち時間も要らない。
- 砂糖と酵母を加える。24時間たったら、砂糖225g(1リットルあたり50g、4.5リットル分)をジュースに混ぜて溶かす。砂糖は仕上がりのアルコール度数を上げるためだけのものだ。入れなければ、ジュース自体の糖分だけで発酵し、通常の5〜6%になる。ジュースの温度を確かめる。18〜22°Cが理想だ。ドライ酵母を表面に振り入れ、酵母栄養剤を袋の表示量どおりに加える。りんごジュースには酵母に必要な窒素が少ないためだ。容器を閉めてエアロック(発酵栓)を取り付ける。水を半分ほど入れた小さなプラスチックの弁で、蓋や栓に差し込み、二酸化炭素を外に逃がしながら空気やコバエが入るのを防ぐ。室温なら12〜24時間以内にエアロックがぽこぽこと泡立ち始めるはずだ。

- 1〜2週間発酵させる。発酵容器は直射日光を避け、室温(18〜22°C)に置く。最初の数日の激しい泡立ちは、やがてたまに泡が上がる程度に落ち着く。エアロックが静かになっても、発酵が遅くなっただけで、終わったとは限らない。比重計(自家醸造用品店で安く買えるガラスの浮き秤)で確かめる。測り方は、消毒したおたまでシードルを取り、細長いグラスかメスシリンダーに満たして比重計を入れ、自由に浮かせてから、目の高さで目盛りを読む。読むのは、液面が軸のまわりで曲がっているところのいちばん低い位置だ。取った分は容器に戻さず、飲むか捨てる。数値が3日続けて変わらず(ふつう1.000かそれをわずかに下回る)、シードルが澄み始めたら発酵は終わりだ。味見をする。辛口でほのかに酸味があり、酢のにおいがまったくない、すっきりした香りならうまくいっている。
- 澱引きして澄ませる。底の澱を残して、サイフォンでシードルを洗って消毒した別の容器に移す。サイフォンは食品用のプラスチックチューブのことで、中身の入った発酵容器を空の容器より高い位置に置けば、液体が重力で流れていく。この移し替えを澱引きと呼ぶ。チューブの先は澱より上に保ち、シードルがはねないよう、新しい容器の内側を伝わせて流す。4.5〜5リットルのガラス瓶がちょうどよい大きさだ。瓶が満杯に近いほど、シードルの上に残る空気が少なくなる。エアロックをもう一度取り付け、さらに3〜5日置いて澄ませる。この時点で、泡のないスティルシードルとして飲める。辛口で酸味があり、りんごの味がそのまま出ている。

- 発泡性のシードルにするために瓶詰めする。ただし、比重計の数値が3日間安定してからにする。まだ糖が発酵中だと、加えた砂糖の分まで発酵して瓶の中の圧力が上がりすぎ、破裂するおそれがある。まず瓶、栓、サイフォンのチューブを洗って消毒する。空の500ml瓶それぞれに、砂糖4g(すりきり小さじ1)を正確に入れ、澱を巻き上げないようにサイフォンでシードルを注ぎ、栓の下に2〜3cmの空きを残す。シードルに残っている酵母が密封した瓶の中でこの砂糖を食べ、泡を生む。瓶は炭酸飲料用のものだけを使う。スイングトップか王冠のビール瓶、または炭酸飲料のペットボトルで、保存瓶やワインボトルは決して使わない。目安として、炭酸飲料のペットボトルにも詰めておく。すべての瓶を、万一破裂しても安全なように蓋つきの箱か戸棚に入れて室温に置き、このペットボトルを毎日押してみる。ふつう5〜7日、涼しい部屋ではもっとかかり、硬くなって押してもほとんどへこまなくなったら、すべての瓶を冷蔵庫に移す。開ける前に少なくとも3日冷やし、最初の1本は流しの上で開ける。冷やしておけば数か月はおいしく飲めるが、長く寝かせてもよくなるわけではない。

よくある質問
いちばんうまくいくのはブレンドです。甘くてくせのないりんごをベースに(ゴールデンデリシャス、ガラ、ふじ)、酸味用に酸っぱいりんご(ブラムリー、グラニースミス)、コックスのような香りのよいりんご、できればタンニン用にクラブアップル(野生りんご)や本来のシードル用品種を少し加えます。よく使われる目安は、くせのないベース30〜60%、酸味のあるもの10〜20%、香りのよいもの10〜20%、タンニンの多い果実5〜20%です。生食用の一品種だけでも作れますが、たいてい平板な味になります。市販のジュースを使うなら、2〜3銘柄を混ぜると仕上がりがはっきりよくなります。
シードル酵母やワイン酵母はすっきりと発酵し、りんごの風味を前に出してくれます。パン酵母でもジュースは発酵しますが、酵母くささやパンのような風味が残りやすく、沈みにくいので、シードルが濁ったままになります。初めての仕込みには、ドライのワイン酵母かシードル酵母を一袋使います。パン酵母は手作りパンのクヴァスのような短い発酵に向いていて、こちらは一日か二日でできあがります。
比重計の数値が3日間変わらず、シードルが澄むまで待ち、詰めて密封する前に500mlの瓶それぞれに砂糖4g(すりきり小さじ1)を正確に入れます。これは1リットルあたり8gにあたり、1リットルあたり10gを超えないようにします。シードルに残った酵母が砂糖を食べて二酸化炭素を出し、それが密封した瓶の中に溶け込みます。炭酸飲料用の丈夫な瓶を使い、目安として炭酸飲料のペットボトルにも詰めておきます。押してもへこみにくくなったら、すべての瓶を冷蔵庫に移します。普通の保存瓶やワインボトルは、圧力で割れることがあるので決して使いません。
よくある原因は、保存料入りのジュース(ソルビン酸カリウムや安息香酸ナトリウムは酵母の働きを止めます)、部屋が寒い(温度が下がるほど発酵は遅くなり、完全に止まることもあります)、酵母が死んでいる(少量をぬるま湯に入れ、砂糖をひとつまみ加えて混ぜると、10分以内に泡立つはずです)、カンプデン錠のあと酵母を早く入れすぎた(二酸化硫黄が抜けるまで丸24時間待ちます)のいずれかです。涼しい部屋でゆっくり泡立っているシードルは問題ないことが多いので、不具合を疑う前に18〜22°Cの場所に移してください。野生酵母の働きを見たいなら、パイナップルの皮にいる酵母で発酵するテパチェがあります。ここでカンプデン錠が取り除くのは、まさにその酵母です。
はい、とてもうまくいきます。濁った無濾過のジュースを選び、表示を確かめます。ソルビン酸カリウムや安息香酸ナトリウムが入っていないことが条件です。殺菌済みのジュースで問題なく、カンプデン錠も要りません。透明な濾過済みジュースでも発酵しますが、軽くて味気ないシードルになります。
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I always chill the glasses for homemade apple cider — 15 minutes in the freezer transforms the drinking experience. The frost on the glass keeps everything at the perfect temperature through the last sip.