
バームブラック(ハロウィンのアイルランド風フルーツパン)
バームブラックは、アイルランドのハロウィンのフルーツパンで、紅茶とウイスキー少々に一晩浸したレーズンをたっぷり詰め込んだ、どっしりとして控えめにスパイスを効かせた生地で、昔から中に指輪を一つ隠します。アイルランド語ではbairín breac(まだら模様のパン)といい、英語では短くbrackとも呼ばれます。ここで作るのはイーストではなくベーキングパウダーで膨らませるティーブラックで、私たちが読んだアイルランドの家庭向けレシピの大半がこの作り方で、ダリーナ・アレンのバリーマルー・ブラックやドーナル・スキーハンのレシピもその一つです。2日前から始める必要があり、レーズンは一晩浸し、生地は約1時間焼き、完全に冷ましてから包んで1日置いてから切ります。
バームブラックとは
バームブラックはフルーツパンです。アイルランド政府の公式サイトは、アイルランド語の名前bairín breacを「まだら模様のパン」と訳しており、bairínはパン、breacはまだら模様の意味で、どの断面にもそばかすのように散るドライフルーツに由来します。英語のbarmは別の由来かもしれず、かつてイーストとして使われた発酵中のエールの泡で、古英語ではbeormaと呼ばれたものです。同じサイトは、これを伝統的なハロウィンの料理と呼び、アイルランドの人々は何世紀も前から、10月31日のサウィン前夜に、未来を占う方法としてこれを作ってきたと書いています。
普通のパンより甘く、ケーキほどこってりしてはいません。ドライフルーツで密度が高くしっとりしていて、たいていはバターを塗り、紅茶といっしょに食べます。
ティーブラックとイースト入りブラック
古いバームブラックはイーストパンです。ダリーナ・アレンのレシピでは、小麦粉450 gに牛乳、バター、砂糖、卵、サルタナ、カラント、砂糖漬けの皮を混ぜ、2倍にふくらませ、もう一度こねてから、2つのパウンド型に入れてもう一度発酵させ、焼きます。ティーブラックはイーストを使いません。ドライフルーツを一晩紅茶に浸し、ベーキングパウダーかセルフレイジングフラワーで膨らませます。キング・アーサー・ベーキングは、この手早いほうのパンも、イースト入りと同じくらいアイルランドで人気だと説明しています。
両者が同じものだと誰もが認めているわけではありません。アイルランドのあるフードブロガーは、本物のハロウィンのバームブラックはイーストパンで、ティーブラックは一年中食べるティーケーキだと主張しています。ただ、私たちが読んだアイルランドのレシピの大半は、家庭ではティーブラックのほうを作っています。こねる作業も生地を待つ時間もなく、数日もつので、失敗しにくいのもこちらです。
バームブラックの中の指輪
ハロウィンのバームブラックの肝は、占いです。指輪は1年以内の結婚、コインはお金を意味しました。えんどう豆、棒、ぼろ布、そら豆は、いずれも恋愛やお金での何らかの不運を意味しました。クレムソン大学エクステンションによると、同じ物がアイルランドのマッシュポテト料理、チャンプとコルカノンにも隠されていました。今は指輪かコインだけを入れるバームブラックがほとんどで、ウィキペディアによれば、アイルランドの店で売られるハロウィン用のバームブラックには今もおもちゃの指輪が入っていますが、ほかの物は入っていません。
指輪を隠すなら、オーブンシートで包み、最初のひと切れを切る前に全員に伝え、小さな子どもが食べるときは入れないでください。隠した物は、入っていると思わない人には窒息の危険があり、金属を噛めば歯が欠けることもあります。食事が終わっても指輪が出てこなければ、まだ生地の中にあるので、残りをしまう前に探し出してください。
材料
- 375 gレーズン
- 250 ml紅茶
- 50 mlウイスキー
- 125 gブラウンシュガー
- 1 個卵
- 225 g小麦粉
- 2 小さじベーキングパウダー
- 0.75 小さじシナモン
- 0.25 小さじナツメグ
- 0.25 小さじ塩
- 10 gバター
- 1 大さじはちみつ
作り方
- 前の晩から始めます。濃いめに淹れた紅茶(アイリッシュまたはイングリッシュブレックファスト)250 mlを熱いまま、大きめのボウルに入れた375 gのレーズンにかけます。ウイスキー50 mlを加えて混ぜ、皿をかぶせて、室温のまま一晩置きます。時間がなければ、最低でも3時間は置いてください。朝には、レーズンが膨らんで柔らかくなり、液体のほとんどが吸われているはずです。紅茶をたっぷり吸ったレーズンが、生地をしっとり保ちます。

- 翌日、オーブンを上下加熱で170°Cに温め(ファン付きオーブンは150°C)、棚を中段にセットします。900 g(2ポンド)のパウンド型、約23 × 13 cm、深さ7 cmに、10 gのバターを塗り、底と側面にオーブンシートをぴったり沿わせて敷きます。生地は砂糖と果実でべたつくので、シートがあれば焼き上がりを丸ごと持ち上げて取り出せます。
- 卵をカップで溶きほぐします。それと、ブラウンシュガー(色の薄いもの)125 gを、ボウルに残った紅茶とウイスキーごと、浸したレーズンに混ぜ込みます。ボウルの上にふるいをかざし、小麦粉(薄力粉または中力粉)225 g、ベーキングパウダー小さじ2、シナモンパウダー小さじ¾、ナツメグパウダー小さじ¼、塩小さじ¼をふるい入れます。木べらで、粉っぽさが見えなくなるまでだけ混ぜます。スプーンからどさっと落ちるくらいの、もったりとして水分の多い生地にし、ボウルの底に粉の塊が残らないようにします。ふるうとだまがほぐれるので、ベーキングパウダーとスパイスが生地全体に均一に行き渡ります。
- 生地を型に流し入れ、表面をならします。ハロウィンの習わしを守るなら、洗った指輪を小さく切ったオーブンシートで包み、生地の中に押し込んで、シートが見えないよう表面をならして隠します。隠した指輪は、入っていると知らない人にとっては窒息の危険がありますし、金属を噛めば歯が欠けることもあるので、切り分ける前に全員に伝えてください。小さな子どもが食べるときは、指輪を入れないでください。

- 中段で60分焼きます。生地がふくらんで、表面が濃い茶色に固まり、中心に刺した竹串に生の生地がついてこなければ焼き上がりです。竹串に生地が残っているときは、表面がこれ以上色づかないようアルミホイルをふわりとかぶせ、さらに10分焼いてからもう一度確かめます。竹串がきれいに抜けるまで、10分ずつ焼き足してください。生地の中の卵には、しっかり火を通す必要があります。
- 型のまま5分置いてから、シートを持って網の上に取り出し、シートをはがします。まだ温かいうちに、表面にはちみつ大さじ1をハケで塗ると、つやのある、少しべたつく皮になります。触って芯まで冷たくなるまで、しっかり冷まします。温かいうちに切ったバームブラックは、中がもちゃっとします。

- 冷めた生地をラップできっちり包み、さらにアルミホイルで包んで、切る前に室温で1日置きます。ドーナル・スキーハンは、切る前に1〜2日包んだままにしています。1日置くと生地が落ち着き、きれいに切れます。
- 指輪を焼き込んだ場合は、切る前に食卓の全員に伝え、慎重に噛んで自分のひと切れを確かめてもらいます。パン切りナイフで、厚さ約2 cmの12枚に切り分けます。誰も指輪を見つけていないなら、指輪はまだ生地の中にあります。残りを包む前に探し出すか、残りを食べる人に伝えてください。しっかり包めば、バームブラックは室温で3日まで、冷凍ならもっと長くもちます。乾いてきたら、スライスしてトーストしましょう。
よくある質問
たいていは、オーブンから出すのが早すぎたか、切るのが早すぎたのが原因です。170°Cで60分焼いたら、ちょうど真ん中に竹串を刺して確かめ、生の生地がついてこなければ焼き上がりです。ついてくるなら、表面にアルミホイルをかぶせてさらに10分焼き、竹串がきれいに抜けるまで繰り返します。キング・アーサーは、ティーブラックが温かいうちに切るともちゃっとなると注意しているので、中まで完全に冷ましてください。さらに、ドーナル・スキーハンのように、包んで1日置いてから切るのがいちばん確実です。
作れます。ウイスキー50 mlを濃い紅茶50 mlに置き換えれば、レーズンは合計300 mlの紅茶に浸かることになります。クレムソン大学エクステンションもこの方法でバームブラックをアレンジしていますし、ドーナル・スキーハンもウイスキーは省いてかまわないと書いています。小さな子どもが食べるなら、指輪も入れないでください。はちみつのつやだしは焼いてから塗るので、1歳未満の赤ちゃんに出すときは塗らずにおきます。
アイルランド政府の公式サイトは、昔の意味をこう挙げています。指輪は1年以内に結婚する、コインは幸運、えんどう豆はその年は結婚しない、棒は不幸な結婚や口論、ぼろ布は不運や貧しさ、そら豆はお金に縁のない将来を表します。今は指輪かコインだけを入れるバームブラックがほとんどです。入れるなら、洗って小さく切ったオーブンシートで包み(ダリーナ・アレンもお守りを同じように包みます)、型に入れた生地に押し込みます。クレムソン大学エクステンションは、隠した物は、入っていると知らない人にとって窒息の危険があると指摘しています。金属を噛むと歯が欠けることもあるので、切り分ける前に全員に伝え、小さな子どもが食卓にいるときは指輪なしで焼いてください。
小麦粉を同量で置き換えるだけではうまくいきません。ダリーナ・アレンは、配合の違うグルテンフリーのブラックを別に公開しています。米粉175 g、コーンスターチ50 g、キサンタンガム小さじ1、グルテンフリーのベーキングパウダー小さじ1½に、紅茶200 mlに一晩浸したドライフルーツ305 g、ソフトブラウンシュガー150 g、卵1個、牛乳大さじ3を合わせます。1 kg(2ポンド)の型で180°C、約1¼時間、竹串がきれいに抜けるまで焼きます。このレシピに手を加えず、書かれたとおりに作ってください。
ラップとアルミホイルで包めば、室温で3日まで保存でき、それ以上は冷凍できます。指輪がまだ出てきていなければ、残りをしまう前に探すか、食べる人に伝えてください。アイルランドでは厚めに切ってバターを塗り、紅茶といっしょに食べます。古くなってきたらスライスをトーストします。ダリーナ・アレンも、最後のひと切れの使いきりにこれを勧めています。同じ晩にアイルランド風の夕食を作るなら、アイリッシュシチューの鍋と、食後のバームブラックで、簡単なメニューになります。
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