りんごの季節は一気に来ます。先週まで地物のりんごが並んでいなかったのに、翌週には誰かの庭から届いた箱が玄関にあり、その半分は打ち身がある。以下は手間の少ない順で、今夜すぐ作れるものから始めます。
どのりんごを選ぶか
焼き菓子用のりんごと、そのまま食べるりんごは別の果物です。かたくて酸味のある品種は形が残り、砂糖と釣り合います。紅玉、グラニースミス、ブラムリー、ロシアやポーランドならアントノフカ。やわらかく甘い品種は水っぽい果肉に崩れ、下の生地をふやけさせます。
甘い品種しかないなら、砂糖を減らしてレモン汁を足す。打ち身のあるものしかないなら、傷んだ部分を切って今日のうちに使う。傷んだ果実は早く熟し、隣の果実まで巻き込みます。
今夜作れるもの
シャルロートカは、箱いっぱいのりんごに対するロシアの答えです。卵、砂糖、小麦粉、りんご、そしてバターは一切使いません。卵は白っぽく、かさが三倍になるまで泡立てます。その空気が膨らみの大部分を担うので、技術のすべては粉をやさしく混ぜ込むことに尽きます。りんごは型の縁近くまで詰めてかまいません。生地はそれをまとめるためにあります。
→ シャルロートカ
誰もが思い浮かべるもの
アップルパイは手間が増え、その分返ってきます。困るのは二つ。底がべたつくことと、フィリングが縮んで蓋の下にすき間ができること。どちらも水が原因です。生地に入れる前にフィリングへ小麦粉を混ぜ、果汁がたまらずとろむようにします。焼きはじめは高温で。最初の十五分を220℃にすると、りんごが水を出す前に底の生地が固まります。そのあとは175℃で焼き上げます。生地のバターは、のばすときにまだ粒が見えるくらい冷たく保ちます。
→ アップルパイ
午後をまるごと使うもの
ウィーンのアップルシュトルーデルは一日仕事で、主役は生地です。のばす前に三十分は休ませてください。ゆるんだグルテンは薄くのび、そのまま薄さを保ちます。休ませていないグルテンは縮んで戻ります。りんごに混ぜたパン粉が果汁を吸うので、下の生地は湿らずに焼き上がります。あとはシナモンとレーズンの仕事です。
人が集まる日のもの
アップルクーゲルは焼き菓子とプディングの中間で、何も伸ばさずに大量のりんごを一度に片づけられる、いちばん楽な方法です。持ち運びやすく、食卓を満たし、翌日の常温でも焼きたてに劣りません。
→ アップルクーゲル
飲むもの
打ち身のあるりんごの行き先はここです。傷んだ果実も、きれいな果実と同じようによく搾れます。果汁になってしまえば見分けはつきません。搾るときは皮をつけたまま。皮にはタンニンと野生酵母があります。あとは果汁と酵母と数週間の時間だけで、出てくるものは、最初のりんごとはまるで別の味です。
甘くないもの
りんごは塩気のある料理でも働きます。基本はウォルドーフサラダ。りんご、セロリ、くるみ、マヨネーズのドレッシング、そして果肉が茶色くならず明るいままでいられるだけの酸。ローストポークや鴨に合うのは、アップルソースが合うのと同じ理由です。
塩気のある料理でりんごが顔を出す場所がもう二つ。フォルシュマークではすりおろしたりんごが塩漬けニシンの角をとり、コールスローでは生のキャベツに同じ働きをします。
それでもりんごが残ったら
必ず残ります。ロシアの台所は、ピュレを低温のオーブンで何時間も乾かして数か月もつパスチラにするか、卵白と泡立ててゼフィールにします。どちらも保存の工夫として始まり、菓子として残りました。余った果物の使い道として、これ以上に理にかなったものはそうありません。
変色させないために
切ったりんごが褐色になるのは、酵素が空気に触れるからです。レモン汁で遅くなり、塩水ならもっと遅くなります。熱いオーブンに直行するなら、どちらも気にしなくてかまいません。サラダなら、全部切ってからではなく、切ったそばから和えます。
保存の仕方
丸のままのりんごは、互いに触れず、打ち身のものが混じっていなければ、涼しい場所で数か月もちます。傷んだりんご一個が本当に全体を駄目にします。エチレンを出し、まわりの果実を早く熟させるからです。週に一度は箱を点検し、やわらかいものを取り除いてください。切ったりんごは冷蔵で二日、火を通したものは四日ほどです。









