レシピに出てくる「かぼちゃ」は、実はかなり違う野菜を指していることがある。小ぶりでオレンジ色のホッカイドウ、色白でひょうたん型のバターナッツ、そして溝の深い大きなムスクかぼちゃは、どれも冬かぼちゃの仲間だが、水分量や甘さ、皮ごと使えるかどうかはそれぞれ違う。品種を間違えると、スープが水っぽくなったり、パイの生地がうまく固まらなかったりする。ここでは品種ごとの向き不向きと、それぞれを活かした6つのレシピを紹介する。

ホッカイドウ:皮をむかない一品

ドイツで『ホッカイドウ』と呼ばれる赤いかぼちゃ(日本の赤皮栗かぼちゃ)は、9月からドイツの市場に並ぶ、小ぶりで丸く、濃いオレンジ色をしたかぼちゃだ。皮が薄く、加熱すると完全に柔らかくなるので、半分に切って種を取り、切り分けるだけでいい。果肉は水分が少なくて詰まっていて、栗に似た風味があり、生クリームをあまり使わなくても濃いスープに仕上がる。

だからこそ、ドイツのかぼちゃスープにはこのかぼちゃが使われる。ホッカイドウ、玉ねぎ、しょうが、だし、少量の生クリームを合わせて、なめらかになるまで撹拌する。皮をむかずに使うと、ミキサーの中で溶け込んで消え、色味も良くなる。缶詰のかぼちゃピューレが手に入りにくいヨーロッパでは、パンプキンパイ用の自家製ピューレを作るのにもこのかぼちゃが一番向いている。切り口を下にして柔らかくなるまで焼き、果肉をすくい出してしっかり水気を切れば、生地がきちんと固まる。

バターナッツかぼちゃ:甘くてなめらか

バターナッツかぼちゃは、細長くて生成り色、ひょうたんのような形をしている。皮は硬いのでむく必要があり、丸い部分の種はごくわずかで、果肉は甘くなめらかで、繊維もほとんどない。焼くと甘みが引き出され、縁がカラメル状になる。それこそがバターナッツかぼちゃの焼きスープの狙いで、先ににんにくと一緒に焼いてから撹拌すると、平坦ではなく奥行きのある味わいになる。

オーブンでも形が崩れにくいので、角切りにしても使いやすい。バターナッツかぼちゃとさつまいものスパイスボウルでは、さつまいもと同じ天板で焼き、ターキー、カッテージチーズ、ホットハニーと一緒にボウルに盛り付ける。

ムスクかぼちゃ:ピューレ向きの大玉

フランスで『プロヴァンスのムスケ』と呼ばれるムスクかぼちゃは、平たくて溝の深い大きな品種で、たいてい切り売りされている。甘くて水分が多く、加熱前に皮をむき、煮ると簡単に崩れる。だからピューレやジャム、お粥には向いているが、形を保ちたい料理には向かない。

料理に向かないかぼちゃ

ハロウィンの飾り彫り用に売られている鮮やかなオレンジのかぼちゃは、味ではなく大きさと薄い果肉のために品種改良されたものだ。果肉は水っぽく筋っぽい。仕方なくスープにすることはできても、ホッカイドウやバターナッツを使ったほうがずっとおいしく仕上がる。

朝食に使うかぼちゃ

かぼちゃをいちばんシンプルに使う朝食が二つある。かぼちゃオートミールは、ピューレをオートミールにシナモン、しょうが、ナツメグと一緒に混ぜ込む料理で、かぼちゃが加わることで粥がとろりとして、色もきれいになる。かぼちゃ入りロシア風きび粥は、牛乳できびと角切りにした甘いかぼちゃを、どちらも柔らかくなるまで煮る。ロシアの家庭では秋から冬にかけての定番で、甘くて柔らかいかぼちゃなら何でも合い、ムスクかぼちゃも使える。

パンプキンパイ

パンプキンパイは、アメリカの感謝祭に欠かせないデザートで、空焼きしたショートクラストの上にスパイスの効いたかぼちゃのカスタードを流し込んだものだ。中身はピューレ、卵、エバミルクにシナモン、しょうが、ナツメグ、クローブを合わせたもので、最初は高温で15分焼き、その後は温度を落として、中心が少し揺れる程度になるまで焼く。カナダの感謝祭は今年10月12日、アメリカは11月26日なので、両方作る時間は十分にある。

選び方と保存

良いかぼちゃは、大きさの割りにずしりと重く、たたくと中が空洞のような音がする。ヘタは付けたままにしておく。丸ごとのホッカイドウやバターナッツは、冷蔵庫を避けた涼しく乾燥した場所で数週間もつ。切ったあとは切り口をしっかり包んで4〜5日以内に使い切るか、焼いてピューレにしてから冷凍する。