秋の味覚(あきのみかく、aki no mikaku)とは、秋が旬の食べ物のこと。栗、さつまいも、かぼちゃ、きのこ、秋刀魚、新米などが代表で、国語辞典でも「秋が旬の食品」と説明され、例として栗やきのこ類、秋刀魚があがっている。買い物リストであり、季節の気分でもある言葉だ。ここでは何を指すのかを整理し、家庭で作れる8品を紹介する。
栗と新米
栗をいちばん手軽に味わうなら、ご飯に炊き込むのがいい。栗ご飯は、皮をむいた栗を丸ごと、短粒米と一緒に炊いたもの。味つけは酒と塩だけで、しょうゆは使わない。栗の甘さと色を残すためだ。もち米を少し混ぜると粒につやが出て、栗は焼き芋のようにほくほくになる。皮むきは手間だが、作るのは9月から10月の年に一度。その手間も含めて秋の楽しみになる。
きのこ
きのこの炊き込みご飯は、栗ご飯のきのこ版。炊き込みご飯とは具を米と一緒に炊く料理の総称で、だし、しょうゆ、みりんが米の中に染みこむ。しめじ、まいたけ、しいたけを油揚げと一緒に米の上にのせ、炊き上がるまで混ぜない。余ったら翌日はおにぎりにする。
かぼちゃ
かぼちゃは、ずんぐりした濃い緑色の冬野菜で、果肉は甘くてほくほくしている。かぼちゃの煮物は、いちばん日常的な食べ方だ。皮を下にして一段に並べ、落としぶたをして、だし、砂糖、みりん、酒、しょうゆで煮る。皮を一部残すので、煮くずれしにくい。味がしみるのは火を止めてから、鍋を15〜20分置く間。洋風のかぼちゃ料理はかぼちゃガイドで紹介している。
さつまいも
大学芋は、さつまいもを1cmほどの油で揚げ焼きにし、砂糖、みりん、しょうゆの薄いたれをからめて黒ごまをふったもの。名前の由来は定まっていない。学生にまつわる説がいくつもあるが、どれも確かではない。おやつにもお弁当のおかずにもなり、たれは冷めると薄い膜のように固まる。
寒くなってきたら、あたたかい鍋もの・煮もの
夜が冷えてくると、秋の味覚の食卓は鍋ものと煮ものに移る。
肉じゃがは、牛肉か豚肉にじゃがいも、玉ねぎ、にんじんを入れ、甘辛いだしで煮る。西日本では牛肉、東日本では豚肉が多いと言われる。コツは、煮えたら混ぜるのをやめ、火を止めて置くこと。その間にじゃがいもが煮汁を吸う。
おでんは、大根、卵、こんにゃく、練り物を関東風の澄んだだしでじっくり煮る。煮汁は80〜90℃の、表面がかすかに揺れる程度に保つ。2時間半ほどかかり、翌日のほうがおいしい。
すき焼きは、薄切りの霜降り牛肉、豆腐、ねぎ、きのこ、春菊を、しょうゆ、みりん、酒、砂糖の割り下で煮て、溶き卵につけて食べる。このレシピは割り下をあらかじめ合わせる関東風で、卓上コンロがなくても、広くて深いフライパンで作れる。
茶碗蒸しは、いちばん静かな一品。だしを加えた卵液を弱い蒸気でようやく固まるまで蒸し、かに、しいたけ、かまぼこ、ぎんなんが中に隠れている。卵は泡立てず切るように混ぜ、こしてから蒸し、火は弱く保つ。
10月の「栗名月」
秋の食卓には、暦の目印もある。十三夜は旧暦9月13日の夜に月を眺める行事で、2026年は10月23日。中国から伝わった十五夜に対し、十三夜は日本で生まれた風習だといわれる。栗や豆の収穫祝いでもあることから、「栗名月」「豆名月」とも呼ばれる。その週に1品だけ作るなら、栗ご飯がいちばん似合う。
献立の組み立て方
秋の食事は、ご飯もの、煮もの、汁ものがそろえば十分だ。栗ご飯に肉じゃが、みそ汁があれば立派な夕食になる。週末なら、おでんは前日に仕込み、ご飯は炊きたてで。大学芋はお弁当に入れる。











